2014年04月24日

追憶。

『ぼっちゃん元気?もうそんな時期二度と無いからね、羨ましいわぁ』

クリスチャンで過去ピアノを子供たちに教えてた利用者さん。

ふと長男のピアノの発表会に行ってきた話をしたときに、ご自分の過去を思い出して夜通し涙が止まらなかったと、ある日そうおっしゃいました。

こんにちは、津田です。

戦後間もない頃、何もない場所にポツンと残っていた、それはもうボロボロの教会。

そこに孤児たちを集めて、笑顔を出すには音楽しかないと毎日ピアノを弾いて聴かせていたといいます。

来る日も来る日も、鍵盤を叩く毎日。

子供に教え、その子供が大人になってまた子ができ、さらに孫ができ。

会いに来てくれて、しかも代々ピアノを弾かせていると聴いたときは、これ以上のない喜びだったとか。

『鍵盤の音はね、ひとつひとつ違うけどそれを繋げれば旋律になる。人と同じでしょ?』

『その旋律を耳で聴、頭で感じてまた音にする。それで子供たちがワァって喜んでくれて。』

『子供を育てるのは大変だけど、今しかないのよそんな苦労は。本当羨ましいわ〜』

《アレキサンダーマーチ》

発表会でチビが弾いた曲は、奇しくもこの方が昔子供に教えていたそれと同じだったようです。

数十年の刻を経て蘇るその想い。

この方の大切な宝物を見せていただいたようで、話を聴きながらちょっとだけ、私ももらい泣きしそうになりました。



Posted by 自立援助協会スタッフ  at 22:35 │Comments(0)

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