2013年10月17日

夢を与えてくれた人

小学校低学年のころ、あるお話に出会いました。

それは全体的に茶褐色のいでたちで、痩せ型なのに顔だけ大きなまん丸の、一見ちょっと不気味な主人公の物語。

こんにちは、津田です。

『僕の頭を食べなよ!』

悪者と戦う力が落ちると分かっていても、与えることをためらうことはない。

ご存知『あんぱんまん』です。
当時は平仮名表記で、大人向けの絵本でした。

戦争を体験し飢えを凌ぎ、実の弟を特攻隊で亡くしたやなせ氏。

本当の正義とは、相手をただやっつける事ではなく、飢えてる人がいれば食べ物を分け与えるということ。

『これはどの国でも正しい』

自己犠牲のもとに他人を助ける行為は万国を通じた正義だと言います。

モノに溢れ、食うことに困らず育ってきた私たち。

私がこの物語に出会った頃、大人達はこの物語の自虐的な描写を酷評しました。

ですが、最初に認めたのは引っ張り合うように絵本を離さなかった4、5歳ほどの幼児らだったといいます。

未曽有の苦労を経験したやなせ氏の思いは、純粋な子供らの手で発展を遂げました。

しかしそれは、やなせ氏が子供たちの気持ちを徹底的に捉え抜いたある意味必然的な事だったのかもしれません。

私も目の前にいる利用者やその家族、関係者の気持ちをどれだけ捉え、形にしていく事が出来るのか。

やなせ氏に遠く及ばないと分かっていても、それはそれで懸命に努力しなければと改めて思います。

私にまず夢を与えてくれたやなせたかし氏のご冥福を、心よりお祈り致します。




Posted by 自立援助協会スタッフ  at 22:23 │Comments(0)

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