2014年10月16日

お刺身。

『なんしよっとか、貴!』

小学五年生の夏休み、母の実家で叔父が経営している鮮魚店にアルバイトがてら遊びに行っていた時のこと。

仕出し用に盛り付けられたお刺身が美味しそうで、何気なく濡れ手でつっついてしまいました。

こんにちは、津田です。

怒鳴られてふと気付いたら刺身の表面に小さな水滴が...

慌てて違う指で拭こうとしたら更に追い討ちをかけられます。

『触るな言っとるやろが、チッ!もう出せんわこれ、どうすっとか(`Д´)』

なんでそんなに怒るのかと夜、叔父に聞いてみました。

『気持ちが乗ってない』

魚には魚の魂がある。
その魂を戴く為に包丁を入れる。
それを軽い気持ちで汚すな、と。

『気持ちの乗らんなった刺身は客に出せん』

今、私たちは毎日様々な利用者宅へお伺いしています。

その中で、業務の運営上さまざまなエラーが生じ、利用者にご迷惑をおかけする事も少なくありません。

目先の自己都合に振り回されることなく、いかに誠実に取り組むことが出来るのか。

その気持ちを大切に、日々努力を重ねること。

一見そんなの当たり前って思いがちですが、その実践はなかなかに難しい。

いつまでも凡事徹底に取り組んでいた、亡き叔父の教えを決して忘れぬよう心掛けていきたいと思います。

怒鳴られた直後、食え!と出されたお刺身は、でも、やっぱり僕には美味しかったです。



Posted by 自立援助協会スタッフ  at 22:06 │Comments(0)

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